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桃花台線廃止後の提案:残った駅舎や高架橋をどうするか? - その5

「中日新聞」の「インターネット版」の記事を読んで知ったのですが、「桃花台線(ピーチライナー)」の廃止後の設備の再利用について、「高架橋を、自転車や徒歩で通れる歩道にしたらどうか?」と言う意見が、沿線住民から出ているようです。

車両20両が行き場失う 愛知・小牧の桃花台線、あす廃止(中日新聞)

私は、この案に反対です。理由は、「大勢の利用者がいる」とは思えないからです。
また現状のままでは、自転車や徒歩で通れるようには、まったくなっていません。その為改修するのに、巨額の費用が必要だからです。「巨額の費用を投じて、結局ほとんど使われなかった」では話になりません。それでは、まさに桃花台線が犯した失敗を、繰り返す事になります。結果、数年後に撤去となれば、今の撤去費用に改修費用を上乗せするだけです。

桃花台線の高架橋沿いの歩道を歩く人、自転車で通る人は、とても少ないです。特に「桃花台ニュータウン」内の区間に関して言えば、その傾向はさらに強まります。朝・夕の通勤・通学の時間帯でさえ、旧「桃花台東駅」から旧「桃花台西駅」までの沿線の歩道を通る人は、ほとんどいません。
となれば、高架橋を改修しても、普段の通勤・通学などで移動する人の利用は、ほとんど望めないでしょう。

また観光用として考えたとしても、おそらく大勢の利用者は期待できないでしょう。最初は「物珍しさ」で、利用する人もあるかと思います。しかし数ヶ月後、数年後、その歩道に大勢の人が歩いているとは、とても思えません。

また見ればすぐに判かると思いますが、高架橋は、とても人が通れるような状態ではありません。その為高架橋を人が通れるように改修するには、巨額の費用がかかります。おそらく数10億円かかることでしょう。そのうえ維持費用も、巨額なものになるでしょう。
(高架橋の上の軌道部分を撮影した写真は、こちらの記事に掲載されています。)

そのうえ高架橋は、現在すでに「耐震性」に問題があります。「桃花台線あり方検討会」が去年(2005年)の3月に出した「提言(※PDF形式)」には、次のような記載があります。
橋脚・桁などのインフラ施設については、厳しい経営状況の中、必要最低限の修繕により対応しているが、将来、耐震補強や、剥落防止・塗装などの早急な措置を必要とする箇所があるなど、今後、大規模な補強、修繕が必要となってくると考えられる。
その為、単に維持して行くだけでも、巨額の耐震補強が必要になります。その額は、愛知県の試算によると、約28億円です。

高架橋や駅の設備を全て撤去した場合の費用は、愛知県の試算によると、約100億円かかるそうです。
この額を聞いて、よく「100億円かかるのなら、撤去しない方が安いのでは」と考える人がいますが、私は「必ずしもそうは言えない」と思います。と言うのは、高架橋を歩道に変えて残して行くには、「改修費用」がおそらく数十億円かかると思われます。それに加えて「耐震補強費用(約28億円)」、と「維持して行く年数分の維持費用」がかかる事になります。なので結果的に見て、数十年先では撤去した方が安く済む可能性も、十分考えられると思われるからです。

高架橋の撤去には、相当の苦労もあるでしょう。さらに撤去後に再活用できる土地は、極僅かに限られています。
しかしまったく住民が使えないような物に変える為に多額の投資をするよりは、極僅かな土地でも再活用できれば、それにより住みやすい街作りが行なえるのではないかと思います。また収益で、撤去費用を少しでも減らす事もできると思います。

高架橋は、ただ残すだけで、維持費用や耐震補強費用は莫大な額になります。なので私は、「できるだけ早く撤去すべきだ」と思います。

あと記事には、「バスなど公共交通の専用道として利用する」と言う案が出ている事も、書かれています。しかしこの案は、すでに去年(2005年)の段階で、「桃花台線あり方検討会」で検討され、「現行のシステムのまま桃花台線を運行し続けるようりも、はるかに巨額の費用がかかる」事から、否決されています。(その点については、以前記事にしています。そちらの方をご覧下さい。)そしてバスだけでなく、他の交通機関も、高架橋の上を走らせる案は、否決されています。簡単な言葉に言い換えると、「高架橋の上に乗り物を走らせる事が、否決されているのです。
この決断は、とても現実的で素晴らしかったと思います。

公共交通機関(桃花台 便利リンク集)
天気予報、地域のニュース、blog(桃花台 便利リンク集)
[ 桃花台線廃止後の提案についての記事(桃花台新聞)]
桃花台線廃止後の提案:残った駅舎や高架橋をどうするか?
桃花台線廃止後の提案:残った駅舎や高架橋をどうするか?- その2
桃花台線廃止後の提案:残った駅舎や高架橋をどうするか? - その3
桃花台線廃止後の提案:残った駅舎や高架橋をどうするか? - その4
桃花台線廃止後の提案:高架橋は、できるだけ早く、撤去すべきだ!
桃花台線廃止後の提案:本社跡地を、駐車場に
桃花台線廃止後の提案:桃花台東駅・桃花台センター駅間に歩道を作る
桃花台線廃止後の提案:桃花台センター駅・西駅間の軌道の一部を歩道にする

桃花台線廃止後の提案:桃花台・小牧間に巡回バス
桃花台線廃止後の提案:代替バスについて
桃花台線廃止後の提案:代替バスについて - その2
桃花台線廃止後の提案:代替バスについて - その3
桃花台線の「代替バス」に対する提案を紹介
[ 上記以外の「桃花台線」に関する記事(桃花台新聞)]
桃花台線に関する新聞記事 - その4
最終営業日限定の1日乗車券発売(桃花台線)
桃花台線のDVDを作成(小牧市AV技術者の会)

上記以外にも、「桃花台線」に関する記事を、多数書いています。興味のある方は、「桃花台線(ピーチライナー)」のカテゴリを、ご覧下さい。

by kyu3_2 | 2006-09-30 10:00 | 桃花台線(ピーチライナー) | Comments(0)

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